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ㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ ㅤㅤ ㅤㅤㅤ ㅤ India J&K Mt.nun(7,135)

奥秩父 笛吹川 ヌク沢〜ナメラ沢(下降) 

:報告内容全文
 予期したとおり微妙な空模様で、霧雨が降っていた。川もにごったり増水していなかった。近丸新道がヌク沢を横切る所の堰堤を踏み跡に沿って巻き、支度をして遡行開始・・・しばらくは退屈な河原歩きと堰堤越えである。遡行図にあったナメ滝があったかどうかは記憶に定かではない。三つか四つの堰堤を越えたらようやく二俣になった。左俣に入って堰堤を一つ越え、しばらくは引き続き退屈な遡行となる。奥の二俣から右に入って水量もかなり減って渓も小さくなり、さらに倒木が多く荒れた感じで、この沢のいったいどこが奥秩父に名にしおうヌク沢なのかと感じさせる。しばらく行くとだんだん谷の傾斜が増してきて、小滝をいくつか越えたら目の前が開けて階段状の滝らしきものが出てきた。大滝というほどすっきりした印象はないが、まあ滝と定義できなくもないものだ。少々休憩した後、簡単なのでロープなしで右から取り付き、上まで行ったら左に移って落ち口を越えたら大滝二段目が現れた。威風堂々とした出で立ちで、ようやくここまで来たかという感じだ。ここはロープをつけて、弛みがちな気持ちを引き締めてかかる。1P目は中央の細い水流沿いから登り、左にそれてフェースとカンテ状を登り、本流の流芯を登って右にそれてテラス状のところで切った。残置と手持ちのギアでビレイ。2P目は中村嬢が右よりにカンテと草付きのラインを登って潅木帯でビレイ。3P目は、流芯に戻れば残置スリングが見えたが合理的には見えなかったので、潅木帯の岩溝から滝の右端のブッシュ帯を登って二段目は終了。
 二段目を越えてすぐ三段目となるが、こちらも一段目同様傾斜はゆるく簡単そうだったが、一応そのままロープをつけて登る。1P目は適当に簡単そうなところをジグザグに登り、上部で悪いドロ壁を登らされてビレイ。2P目は10mくらい草付きを登って落ち口。これで三段260mと言われる大滝を終えた。
 大滝から上はとても平和な雰囲気の渓相がずっと続く。霧に包まれた苔生した亜高山樹林帯はい奥秩父的で幻想的だ。数箇所の崩壊地を通り過ぎ、沢も伏流ぎみになったころに右のルンゼに入って砂地と岩場を登り、樹林帯を行ったら登山道にでた。山道を破風山避難小屋まで行って本日の行動終了。
二日目
 小屋の外に出ると晴れて雲海になっていた。久しぶりの好天に気分が良くなる。朝食をとって荷物をまとめて出発、破風山に向かう。ここから標高差200mの登りなので意外と大変だ。途中の露岩帯からは鮮やかな青空に雲海、富士山、奥秩父の山々が綺麗に浮かぶ。ただし頂上は木々に囲まれて展望ナシ。頂上標識からすぐ西のところに細いがはっきりした踏み跡が山梨側に下っている。境界顕出標と書かれたプレートがついた木が一定の距離ごとに続いている。それに従ってしばらく下りていく。地形図上で青笹尾根の2052m地点付近から左にずれてながら下っていくと浅い凹状の笹とゴーロがあったのでそれに沿ってずっと下っていったら沢床に至り、ちょうど朝一でナメラ沢を上がってきた人がいた。ナメラ沢は特に問題になるような箇所はないとのこと。
 沢支度を整えて下降にかかる。小滝やナメ滝をいくつも通過するが、ほとんどは普通に歩いて下りていける。数本の湧き水や枝沢を併せてだんだん水量も増えていく。ただしここもヌク沢同様、倒木が多く渓が荒れている感じで、遡行図に記してあるナメ滝などもほとんど気づかず通り過ぎてしまった。
 ひたすらナメと小滝と河原と倒木で冗長。前日ヌク沢を登った身としては面白みはない。10mのナメ滝だけは傾斜がありツルツルで、左岸から巻き下った。その後長い河原歩きの後、中ノ沢と合流、その先に5mほどの滝が豪快に落ちていて、右岸を巻き下った。久渡沢と合流してすぐ左岸から入る沢に入って、フィックスロープのある4m滝をあえてシャワークライムで登ると頭上に橋が現れて終了点(開始点?)に到着。
 終了点からは整備された林道を、のどかな夏の日差しと風に揺れる木々たちに涼みながら下っていき、雁坂トンネルの道に沿って道の駅まで歩く。
 今回は実際にここに来るまでに多少の意思のブレはあったものの、やっぱり来てよかった。奥多摩の真っ暗でドロドロジメジメした沢でナメクジになるくらいなら、こっちのほうがイイに決まってる。ただヌク沢も微妙に物足りない感じがしたので、これから少し2級程度の遡行をこなしたら上越や奥秩父の中級以上の沢に入っていきたい。(一部文略)

AB